村井 裕一郎 様
【家業継承の際の企業理念・経営方針の共有にも役立つエンゲージメントカード】

トリプルバリュー<br>本間理央
トリプルバリュー
本間理央

こんにちは。トリプルバリューの本間です。
本日は、糀屋三左衛門29代当主の村井裕一郎さんに伺います。
インタビュー内では、村井さんの麹に関する想いや【村井さん流】エンゲージメントカードの活用方法まで幅広くお聞きしたので、ぜひ最後まで読んでみてください。

村井 裕一郎 様 プロフィール
  • 糀屋三左衛門29代当主
  • 株式会社ビオック代表取締役社長
  • 公益社団法人豊橋青年会議所理事長
  • Thunderbird 国際経営大学院卒(MBA取得)
  • 京都芸術大学大学院修了(MFA)

この記事はこんな方におすすめ

  • 企業の理念・ビジョンの共有方法に悩んでいる方
  • セミナー講師をしている方
    そんな方に是非読んでいただきたいです。
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それでは、はじめに村井さんの自己紹介からお願いします。

村井裕一郎さん
村井裕一郎さん

はじめまして、村井裕一郎と申します。
私は主に、日本酒や味噌の元になる麹菌を作ってる食品会社「糀屋三左衛門」の経営をしています。
また、社会保険労務士である妻と結婚後、副業として、人事系の仕事のお手伝いもしており

ます。

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本日はよろしくお願いします。

村井裕一郎さん
村井裕一郎さん

よろしくお願いします!

「室町時代から続く糀屋三左衛門を継ぐ村井さん」

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本間理央

家業である糀屋三左衛門を継ぐことが決まっていたという事に対して、どのようなお気持ちだったのでしょうか?

村井裕一郎さん
村井裕一郎さん

幼い頃から、当たり前のように麹と触れ合っていた生活だったので、最終的に自分も家業を継ぐ事を自然と受け入れていましたね。
自宅と工場が隣同士だったので、毎日麹の香りがしたり、従業員さんをお見かけしたりしていたので、麹に対する意識はありました。

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なるほど。
幼い頃から麹と触れ合っていたとのことですが、村井さんにとって麹とはどのような存在ですか?

村井裕一郎さん
村井裕一郎さん

一言では表せないのですが、日本の受け継いできた伝統と技術の詰まったものが麹なので、私は事業を通して、この文化を残していかなければならないと思っています。

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事前にHPを拝見させていただいたのですが、ブランドとのコラボやイベントの開催など、従来の麹の売り方ではなく、新しい展開をしているなという印象を受けました。
村井さんは、麹販売の運営をするにあたって、こだわっている点はありますか?

村井裕一郎さん
村井裕一郎さん

ただ単に物を作ってるのではなく、物を通して文化を作ってるんだ、という意識を常に持ってます。
例えば、自動車メーカーだと、自動車を通じて、家族の思い出を作ったり、運転すること自体を楽しんだりすると思います。
麹も同じく、単に工場で麹を作っているのではなく、麹を通じて文化を提供していくという考え方をするようにしてます。

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トリプルバリュー
本間理央

なるほど。
麹をただ単に食品として提供するのではなくて、提供後、また新たに文化として広がっていくところまで見据えているということですね。
そのような思いから、新しい展開をされているのですね。

村井裕一郎さん
村井裕一郎さん

やっぱり麹という既存のイメージだけではなく、麹の持つ様々な可能性を引き出すために、麹の概念にとらわれすぎず、いろんなことに手を伸ばす必要があると思っています。

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本間理央

意外ですね!
伝統があるお店は伝統に忠実で、あまり新しい展開はしないというイメージがあったのですが、そのようなことはないのですね!

村井裕一郎さん
村井裕一郎さん

そうですね。
柔軟に取り入れられる新しいものは、どんどん取り入れていくスタイルです。

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トリプルバリュー
本間理央

それによって、麹の文化を広げていくということですね。
麹を通して、日本の伝統文化を広げていくというのは、具体的にどのような文化を広げていきたいですか?

村井裕一郎さん
村井裕一郎さん

そうですね、やっぱり日本は発酵食品が盛んなので、微生物とともに暮らし、お互いに協力をしながら暮らしていくという文化を広げていきたいです。
微生物も含めて人間は自然の循環の中に生きているので、そのようなことを、セミナーの開催やマスメディアの発信など様々な方法で伝えていきたいなと思っています。

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本間理央

なるほど、確かに今まで自然の循環の中で生きていると感じながら生活したことは無かったです…!
その発信を行うための手段として、セミナーが挙がりましたが、具体的にどのような内容のセミナーを開催されているのでしょうか?

村井裕一郎さん
村井裕一郎さん

麹を様々な角度から、見て学ぶというセミナーになります。
例えば、微生物という分野で見れば、理科になりますし、伝統という分野で見れば、歴史・社会になります。
このように、麹は学校の様々な科目と接点があるので、アカデミックな表現をすれば学問の各分野からアプローチして学んでおります。

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トリプルバリュー
本間理央

非常に奥が深いですね。
では、糀屋三左衛門を今後どのように展開していきたいですか?

村井裕一郎さん
村井裕一郎さん

やはり、世界に向けて日本の文化を今後も発信し、日本の自然観を伝えていきたいと思います。
他国のブランドや文化ともコラボレーションして、麹の文化を相乗効果的に高めていきたいです。

「【村井さん流】エンゲージメントカードの活用方法」

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本間理央

まず、エンゲージメントカードをどのような形で知られましたか?

村井裕一郎さん
村井裕一郎さん

2年程前にSNSで7つ並べたエンゲージメントカードを、画像にして投稿していた人がいるのを見かけました。
私自身も実践して面白かったので、購入したという流れになります。

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本間理央

そうなんですね!
エンゲージメントカードは1人でもできますし、複数人でもできますが、どのような使用方法をされていますか?

村井裕一郎さん
村井裕一郎さん

まず最初に1人でやって、SNSでシェアしました。
すると、友達から「2つ同じ価値観があるね」等のコメントをしてくれて、私の周囲では盛り上がりましたね。

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当時の価値観と今自分が思っている価値観を比較してみて、違うなと思う所はありますか?

村井裕一郎さん
村井裕一郎さん

基本的には、変化していませんね。

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本間理央

価値観は変わっていないということですね。
先程、奥様がキャリア系のお仕事に就かれているとお聞きしたのですが、副業の方でプレイされることってありましたか?

村井裕一郎さん
村井裕一郎さん

ありましたね。
ある会社が新しく企業理念・ビジョンを作るということで、オファーをいただいたのですが、その際に利用しました。
企業理念・ビジョンを作って、それをもとにコンピテンシー(会社で求められる行動特性)を決めます。

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なぜ、企業理念・ビジョンを作る際に、エンゲージメントカードを取り入れようと思われたのでしょうか?

村井裕一郎さん
村井裕一郎さん

前提として、企業理念・ビジョンは会社によって異なります。
例えば、【失敗を恐れずにトライすることが求められる社風の会社】と【しっかり考えて着実に進むことを求められる社風の会社】、たとえ同じ業界でも全く異なります。
その違いを明確化するために、エンゲージメントカードを利用しました。
世の中、自分の考えていることを的確に表現できる人たちばかりではないと思います。
価値観を共有したり、言語化したりすることが、社員のモチベーションや企業へのロイヤリティに繋がってくるので、言葉にして共通の認識にすることは非常に大事です。
その際に、自分が大切にしてること、自分が働く上で意識していることを言語化するときに、ある程度軸が書かれているので、エンゲージメントカードを選ぶだけで自然と意識が固まっていきます。

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トリプルバリュー
本間理央

0から言葉を生み出すのではなく、選択形式であることによって、直観的に選択することが可能だということですね。
糀屋三左衛門さんでは、利用されたことはありますか?

村井裕一郎さん
村井裕一郎さん

あります。
管理職以上の研修で利用しました。その時はテーマ別で3回行いました。
1回目のテーマは『自分が個人的に大切にしていること』、2つ目は『会社として大切にしてほしいと思ってること(過去)』、3つ目は『会社として大切にしてほしいと思ってること(未来)』で、それぞれ行ってもらいました。
これらを行うと、例えば、自分の中で「仕事は正確に仕上げるものだ」と疑っていなかったが、実は会社はそこまでの正確さより、荒削りでもスピード感や臨機応変さを求めていた。あるいは、ある人は『仕事とは定められた役割を責任を持って着実に果たしていくことが大切』と思っていたが、ある人は『仕事とは一人一人が個性を活かして価値を創り出していくことが大切』と思っていたと言うこともあります。
このように、『仕事における大切な常識』というのは、自分が勝手に大切だと思っているだけなのかもしれないのです。

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自分が大切にしていることは、きっと会社にとっても大切だろうと思い込んでしまいますよね。

村井裕一郎さん
村井裕一郎さん

そうですね。

互いの価値観を事前に知っておくことで、組織を運営する上でのぶつかりを防ぐことができますし、弊社の大事にしているものが言語化して明確になったなという実感はありました。

特に、弊社の場合は、父から私に経営者が交代したわけですが、父が大切にしてきたものと私が大切にしていきたいものが異なるというのが、親子であるだけに意外と伝わりにくかった。そこで、経営者が変わった段階で、価値観も変わっていったことが伝わるようになりました。

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お父様から村井さんに代わられたとき、どのような価値観が変わりましたか。

村井裕一郎さん
村井裕一郎さん

社員にエンゲージメントカードを選んでもらったところ、以下のような結果になりました。

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本間理央

全く違いますね!

村井裕一郎さん
村井裕一郎さん

仕事は努力の末に達成するもの、きちんと規律正しく行動すべきものなど、一定数の社会人は当たり前だと思っている価値観が、一定数の人からしたら、必ずしもそうではありません。
逆のパターンもあります。

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本間理央

仕事において、正しいスタイルはないのですね。

村井裕一郎さん
村井裕一郎さん

そうですね。
弊社では、今の会社のこのステージだったら、この価値観でいきましょうという共通確認をする目的で、エンゲージメントカードを使用しています。

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では、村井さんご自身が、今エンゲージメントカードを選ぶとしたら、どのようなカードを選択しますか?

村井裕一郎さん
村井裕一郎さん

「ウェルビーイング」「自由」「貢献」ですね。
経営者や子育てとしては、「エンパワーメント」ですね。

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村井さん的には、ウェルビーイングをどのような意味合いで捉えられていますか?

村井裕一郎さん
村井裕一郎さん

体と心に無理のない状態みたいなイメージです。

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ウェルビーイングを確立するために、心掛けていることはありますか?

村井裕一郎さん
村井裕一郎さん

そうですね。欲に抗わないことですね。
現在、40歳を超えているので、眠くなったら寝るし、食べたかったら食べるというように、あまり変に制限しないことを心がけてます。

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それが結局一番大事な事ですよね。

村井裕一郎さん
村井裕一郎さん

あとは、自分の中でルール化しないことも重要です。
例えば、食事において、1日30品目食べなければならないと意識すればルール化になってしまいます。
でも、野生動物はそんなことを意識せずとも体調を維持しています。動物の生き物としての調整機能と本能の連動は優れていて、汗をかけば塩分が欲しくなりますし、ビタミンが足りなくなれば生鮮野菜が欲しくなります。人間も生き物だから、動物としての欲にあらがわず、心理的な負担をかけず自然に生きることに重きを置いています。

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本間理央

自然に生きる…。
なるほど、今まであまり意識したことがありませんでした…!
では、深夜にお腹がすいた時も欲にあらがわず、何かを食べるのでしょうか?

村井裕一郎さん
村井裕一郎さん

食べます。なんなら深夜にピザも牛丼も食べます。
しかし、こんな夜中にお腹がすくということは、自分の体調のバランスが崩れたサインだなと認識することが大切です。そのサインを受け取って、改善しようと日々の生活を少しずつ調整します。
その日の1日を振り返ると、今日の昼はコンビニのゼリー飲料しか食べてなかったから、夜中にお腹がすいたのだなと分かります。
それを踏まえて、明日の昼はしっかり食べようというように変化を起こすことが可能です。30品目摂取するとか、直接的なルールで縛るより、自分も一つの動物と考えて、自分という動物が自然な行動をとったとき、それが結果として良い方向に繋がるように、仕組みを設計し、環境を整えるという考え方です。麹をつくるのも、麹菌に直接あれこれすることは出来ず、あくまで人間は温度や湿度などの環境を整えて、麹菌の成長を間接的に支援することしか出来ないのと同じです。

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本間理央

糀屋さんならではの発想ですね。
それでは、最後の質問ですが、エンゲージメントカードをどのような人におすすめしたいですか?

村井裕一郎さん
村井裕一郎さん

現在って、個人の価値観を逆に求めすぎていると感じています。
自己アピール疲れという言葉にあるように、個性的でなければいけないというプレッシャーがあると思います。しかし、人間はそう簡単に言語化できません。
その時の手がかりとして、エンゲージメントカードを使用していただければ、ヒントになるのではないかと思います。
自分の経験から自分の価値観を見出そうと一生懸命になっている就職活動中の学生の皆さんなどは、エンゲージメントカードを使って、本当の価値観を見つめ直してほしいです。

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トリプルバリュー
本間理央

村井さん、今回はありがとうございます。
これからも『もっとワクワークする世の中』に向けて私たちと一緒に、1人でもワクワークする人を増やしていきましょう!これからもよろしくお願いします!

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